熊本県体育協会

スポーツ医科学

スポーツドクターとは

スポーツは生涯を通して楽しみたいものです。そのために、スポーツ外傷の治療だけでなく、予防、栄養、コンディショニングなどの良き相談相手としてスポーツドクターが存在します。
現在スポーツドクター制度は日本体育協会、日本整形外科学会、日本医師会の3種の団体が主に活動しています。各団体でそれぞれいろいろな特徴があります。

1) 日本体育協会公認スポーツドクター

 日本体育協会の公認で、1982年度(昭和57年)より制度化されました。
役割としては、(1)スポーツマンの健康管理、(2)スポーツの外傷・障害の診断・治療・予防、(3)スポーツ参加者の健康診断、(4)競技会開催に際しての医事運営、(5)チームドクターとしての参加などであり、どちらかといえば競技力の向上や競技開催に必要なドクターといえます。
 2014年10月現在5596名、熊本県では64名認定されています。
熊本県体育協会(〒862-8012熊本市平山町2776県民運動公園陸上競技場内、電話096-388-1581)に問い合わせていただければ近くのスポーツドクターを紹介いたします。

2) 日本整形外科学会認定スポーツ医

 整形外科学会認定スポーツ医は、1986年(昭和61年)から制度化されました。
役割としては、⑴整形外科的メディカルチェックなどスポーツマンの健康管理、⑵スポーツ外傷・障害の専門的診断と治療、⑶早期スポーツ復帰のためのアスレチックリハビリテーションの指導などがあげられる、さらにチームドクターや顧問ドクターとしての活動、スポーツ大会の救護、スポーツ医事相談、障害者スポーツ協力活動などが期待されています。

日本整形外科学会(〒113-8418東京都文京区本郷2-40-8、電話03-3816-3671、
E-mail:joa@wnn.or.jp)に問い合わせれば近くのスポーツドクターを紹介してもらえます。

3) 日本医師会認定健康スポーツ医

 日本医師会認定健康スポーツ医は、社会の高齢化や地域住民・一般市民の健康志向に応えるべく1991年(平成3年)より制度化されました。
役割は、(1)スポーツ・運動を行う人々に対する医学的診療、(2)メディカルチェックや運動処方、(3)各種運動指導者に対する助言・指導などがあり地域社会における健康の維持・増進活動に寄与することが目的であります。
熊本県医師会(〒860-0806熊本市花畑町1-13、電話096-354-3838)内スポーツ医会に問い合わせれば近くのスポーツドクターを紹介してもらえます。

熊本県のスポーツ障害の現状

 熊本県におけるスポーツ人口の内訳を2013年度の(公財)スポーツ安全協会熊本県支部の報告では、保険加入者数は総数158,695人そのうち中学生以下の加入者数は83,597人と約52%を占めます。すなわち成長期におけるスポーツ障害・外傷を予防・治療する事が大変重要な課題です。成長期には遊びからスポーツを通して健全な心身を図ることが必要です。そのためには、いろいろなスポーツをうまく組み合わせ、全身的にバランスのよい発育を促すことが大切です。長時間の練習(over use)や非科学的、不適切なトレーニングは傷害のもとです。成長期の身体的特徴として、身長が伸びる際、骨も長軸方向に伸びます。これに対して、筋肉の長軸方向への発育は骨の後を追う形となり、筋肉のひずみ(相対的な筋短縮)が生じます。整形外科的メディカルチェックにより、筋肉・腱のかたさや関節のやわらかさ、さらに変形(O脚、X脚、扁平足など)について調べ、ストレッチ体操や筋力アップ、種々のサポーターや足底板の使用などを勧めることも必要です。さらにover useによるスポーツ障害を予防するためにも、練習時間の規制が必要で、週に1~2日の休養をとること、そのためにもスポーツ医と親・指導者・先生との連絡が大切です。予防に優る治療はありません。

 一方成人においては生涯スポーツが提唱され、生活習慣病の予防や治療のためにスポーツを生活の中に積極的に取り入れるという状況があります。中高年においては、スポーツは身体的にも精神的にも有用であり、健康の維持・増進や生活習慣病の予防・治療は効果的であるが、十分なメディカルチェックなしに運動することは危険です。特に、中高年者では
1)筋力の低下
2)柔軟性の低下
3)骨関節の老化
4)血流の低下
などが見られ、捻挫・肉ばなれ・腱断裂・骨折などがスポーツ外傷や、腰・膝・肩・肘の痛みなどのスポーツ障害が見られます。骨関節への影響の面からは強度が低い運動でも十分な効果が認められており、その継続と頻度が今後の課題です。
 スポーツをする時は、一番大切なことは楽しむこと、スポーツを始める前の準備運動(ウオームアップ)と終わったあとの整理運動(クールダウン)を忘れないで下さい。スポーツによる疲れは残さないように、「だるい」「重い」「痛い」などのシグナルを見逃さないように。スポーツの能力には個人差があり、自分に合った種目(複数)と運動量(回数と時間)を自分のペースで楽しみ、それを続けることも大切です。もし、スポーツ傷害が発生したら、初期治療としてはRICE(ライス:R安静、I冷却、C圧迫、E挙上)を実施し、すみやかに診療所(整形外科)や病院を受診して下さい。

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